私自身、家事事件を担当することが比較的多いこともあり、調停にはよく行きます。
民事調停、家事調停でもかなり雰囲気は異なりますが、調停事件では通例、「調停委員」と呼ばれる方が2人でお話を聞かれます。紛争の要点をつかみ、両当事者の話を公平に聞き、適切な解決案をさぐっていくという、すぐれたバランス感覚が要求されるお仕事で、弁護士をも含めた地域の有識者の方々が受け持たれます。
公正中立の立場といっても、人間です。調停委員を「味方に付ける」という言い方は相応しくないにしても、調停委員にそっぽを向かれてしまうと、何一つプラスはありません。調停委員に話を「聞かせる」ためのテクニックには、細心の注意を払います。調整役としての働きに敬意を示すのは勿論のこと、依頼者の事情や考え、思いを十分に受け止めてもらうべく、事案ごとに様々な角度、視点、方法で説明を行います。ご本人にももちろんお話いただきます。ご本人の説明だけでは不足しますし、弁護士が喋りすぎてもいけません。このあたりのさじ加減も難しいです。
困難な事件であればあるほど、調停委員のちょっとしたしぐさ、一言がヒントになり、膠着した状況を打開する糸口がみえてくることがあります。相手方の思惑を推し量り、同時に依頼者の利益も守りつつ、「こういう進め方もあるのでは?」と提案した一言が採用され、一気に状況が前に進むこともあります。うまくいったときなど、格別の思いがあります。
調停とはどういうものか、一般の方にはわかりづらいと思いますし、弁護士に頼むメリットもなかなか実感しにくいかもしれません。なかなかこうした部分は表にでないですが、弁護士の活動とはこういうものだ、というご理解の一助になれば幸甚です。
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Brandi Kellog (金曜日, 03 2月 2017 09:55)
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